「秋田県海岸沿いに連なる風力発電を見て考えた事」

 4月8日、新社会党秋田県本部主催の参院選決起集会が終わり、移動中の電車から見た、海岸沿いに延々と連なる、陸上風力発電機のあまりの数の多さ、人家との距離の近さにびっくりしました。

 

 10階建てビル程の高さの風力発電機が、人の住むすぐそばで稼働している様子は、かなり異様に見えました。

 

 決起集会の中でも、風力発電による健康被害について議論されていました。「養豚場から200~300メートルの距離に風力発電機が設置され、豚の調子が悪くなったと報告を受けた」「風力発電の低周波音に影響されてか、牛の乳の出が悪くなったとの話を聞いた」「秋田県の海岸は風が強いので、風力発電が本当に増えている。脱炭素を進めるために、再生可能エネルギーを進めることに疑問の余地はないし、原発は考えられないが、人への健康被害が出ているようなことが許されるのか。景観の問題もある」などです。

 

 ある党員は、「自分の住む市でも今後、洋上・陸上ともに風力発電機が10数機ずつ建設予定。人家近くに建てられる予定で、反対の声が多く、反対運動の取り組みを考えている」と報告していました。

 

 ただ、「問題はそう簡単ではない」とも言っていました。気持ちは反対でも、発電機の修理や、電気産業関係の仕事で、物が言えない人も少なくない。風力発電機の建設場所が、生活圏から1.8キロ先なら反対だが、10キロ先なら賛成など意見も様々。風力発電建設に関して、補助金8,000万円が市に入ることが、その使途も含め住民を分断する要因になっているとのことです。

 

 これまで日本では、エネルギーに限らず出来るだけコストを掛けずに大きな儲けを得るためにどんどん作り、後で大きな公害や事故が起きる、ということが繰り返されてきましたが、なぜ作る前にきちんと検証されないのか。

 基礎研究が大切にされず、科学・技術・危機管理・倫理や文化など専門家の意見がないがしろにされていていることが、建設的な議論が出来ない背景にあるのではないか。

 気候危機問題に取り組むために、人の手に負えない原発の利用はあってはならない。再生可能エネルギーとしての風力発電の、適切な利用が進んで欲しい。

 再生可能エネルギーを主要電力にしていくためには、ますます電力の地産地消が求められる。地域の特性を生かした再生可能な発電方法が追及され、必要な分を必要なだけ作り、地域に雇用を生み出し、地域内に電力の対価が還元され、災害時などのリスクも分散される。そのためには、送配電網の中立性を高めるなど、さらなる電力市場の公平性が求められる。

...等々、様々なことを考えさせられました。

 

 何より当事者である住民不在ということが大きいように思います。反対運動を考えている党員の方がいましたが、分断もある中、時間がかかってもみんなで徹底的に話し合って、そこに住む者が最も良いと思う結果になる事が一番大事だと思いました。